アドヴェントについて

アドヴェント(待降節)について

アドヴェント・クランツと聖餐卓(2018年)

子どもたちが飾りつけしたクリスマス・ツリー

正門の横のヒラヤマスギの電飾(2018年)

 ○クリスマスはいつから?

 

教会でクリスマスのお祝いをするようになったのは4世紀頃です。イエス・キリストが生まれてから300年以上もの間、キリスト教は公に認められていませんでしたから教会を建てることはゆるされず、クリスマスのお祝いはされていませんでした。その間、キリスト教信者たちは迫害に耐え、礼拝を続け、信仰を伝えてきました。そして300年の歳月を経て、ついにローマ帝国によってキリスト教は公に認められ、次第にクリスマスのお祝いがなされるようになっていきました。

 

 

○アドヴェント(待降節)の起源

 

待降節はイエス・キリストの誕生を待ち望む期間です。アドヴェントは到来を意味するラテン語、アドヴェントゥス(adventus)に由来します。クリスマスが定着した後、5世紀にクリスマスを待ち望むアドヴェントの習慣が広まり、5世紀後半には大切なクリスマスを迎える前の断食の期間として守られました。そのため典礼色は、イースター前の受難節と同じように悔い改めを意味する「紫」となります。(ちなみにイエス・キリストが十字架につけられる時に着せられた服の色もです。)従って、アドヴェント・クランツのキャンドルの色と教会暦を重んじる教会はを使用しています。当教会でもキャンドルはを使用します。

 

 

 ○アドヴェント・クランツの由来

 

アドヴェント・クランツは19世紀のドイツで始まったと言われています。ドイツでJH・ヴィヒャーンが、ハンブルクにある子供たちの施設「ラウエス・ハウス」(粗末な家)で初めて行い、当時はクリスマスまで毎日1本ずつろうそくを灯したそうです。1860以後、ベルリンのテーゲルの孤児院にも伝わり、次第に広まっていったようです。クランツはドイツ語で冠の意味で、イエス・キリストが王として来られることとを尊敬と崇拝の意をもって待ち望むことを現わします。

  

 

○キャンドルの色の意味 

 

キャンドルは1本、バラ色(ピンク)になっています。これは待降節第3主日のキャンドルで、教会暦では「ガウデーテの日」(喜びなさい)と呼ばれている日です。「ガウデーテ」は、待降節第3主日の礼拝の始まりの入祭唱の時に読まれる聖書箇所、フィリピ44節「主において常に喜びなさい」の冒頭のラテン語です。バラ色のキャンドルは紫で示されていた悔い改めの意味を和らげ、喜びの日が近づいていることを示しています。

 

4本目のキャンドルが灯された後、当教会では12月24日のクリスマスイブ礼拝の時、聖餐卓のクロスもキャンドルも神の栄光を現す白に変わり、イエス・キリストの誕生によって暗闇の世界に光が灯されたことを示します。

 

アドヴェント・クランツ、キャンドルの色、クリスマス・キャロルなど、クリスマスの習慣一つ一つにはキリスト教的な意味があります。歴史を経て信仰者たちが受け継いできたクリスマスの本当の喜びを深く心に留めるために、アドヴェントの時を大切に過ごしたいと思います。

ページのトップへ戻る