受難週について

受難週について

受難週とは、イエスがエルサレムに入城され十字架につけられるまでの出来事をさします。教会暦に取り入れられるようになったのはエルサレム教会に始まり、4世紀の『エテリアの巡礼』という文書に受難の記事に従った行事が記録されています。その後、受難週は教会暦の中でもっとも重要な時とされてきました。古来、洗礼式は受難週の後の復活日に、年に1度だけ行われる厳かな儀式でした。福音書の受難週の記事は、次のように区分されます。

   主な出来事 マタイ マルコ ルカ ヨハネ
 エルサレム入城 21:1~11 11:1~11 19:28~44 12:12~19
  宮きよめ 21:12~17 11:12~19 19:45~48 (2:13~22)

  終末の預言

21:18~26:5 11:20~13:37 20:1~21:38  

 ベタニヤの塗油

26:6~16    14:1~11 (7:36~50) 12:1~8

  最後の晩餐

 26:17~75   14:12~72    22:7~65 13:1~18:27

十字架、埋葬

27:1~66 15:1~47 22:66~23:56

18:28~19:42

 

福音書記者たちは最後の一週間に焦点を絞り、イエスの苦難と孤独、裏切る弟子たち、十字架刑へと追いやる人々の罪を描いています。イエスの十字架は人間の目から見れば「自分自身さえも救うことのできない救い主」の姿でした。神さえもお見捨てになられた、と思えるような十字架の死を超えて、イエス・キリストは蘇られ、弟子たちは生まれ変わり、教会が建てられていきました。苦難の中においてこそ、キリストが共に十字架を背負って下さることを覚えて、最後は復活の喜びへと導かれることを信じたいと思います。

 

 

ページのトップへ戻る